療育に通うとどれくらい効果があるの?通ったら定型児になれる?
今回は、こういった悩みに答えたいと思います。
参考になれば嬉しいです。
結論から先に言うと、療育に通ったからといって『発達障害が治って定型児になれる』ということはないです。残念ですが、発達障害はもともと先天的な脳の特性なので。
ただ、全く効果ない。というわけではないので、もしお子さんが通える対象なら療育は通った方が良いと私は思います。
母子分離の療育施設なら、ママの休息が取れるし、子供も刺激を受けて社会に出るためのスキルを少しずつ、ゆっくり学んでいくことができます。
療育の効果(ビフォーアフターの比較表)
- 喋れる言葉「はい」だけ。あとは喃語。
- 同居する家族以外の人間は泣いて拒絶。
- 超偏食。(白米しか食べない)
- 文字の読み書きできない
- 運動できない
- 遊具で遊べない
- オムツ取れない
- 癇癪がひどい(泣き止まない)
- 濁音・ら行の発音が苦手。でも会話はできるようになった。
- 長い時間(年単位が必要)関わりのある大人には懐くようになった。
- 文字が読めるようになった
- 自分の名前は書けるようになった
- 机に座って作業(工作など)できるようになった
- オムツが取れた
- 公園の遊具で遊べるようになった
- 癇癪も激減した
ビフォーアフターで見てみると、だいぶ成長しましたよね。
もちろん普通に年齢による成長もあるかと思いますが、発達障害児の子は成長がかなりスローなので、家庭だけの保育じゃここまで伸びないと思います。
家族間でコミュニケーションが取れるようになった
特に発語に関しては、3歳頃までは喃語が多くて何言ってるか全然わからなかったんですが、個別指導に通いだして発語訓練(模倣や舌の使い方など)を始めてからすごい伸びました。
言葉の発達と共に家族間でコミュニケーションが取れるようになり、それに比例して癇癪も減ってきたので、私の精神面でもかなり療育に救われました。
自宅で療育はかなり難易度が高い
ママによっては、療育施設に通わないで家庭療育を行っているママもいると思います。私も最初の方は情報を集めて家庭での療育も少しだけやっていましたが、すぐに挫折してしまいました。
家庭療育はとてつもない精神力と忍耐力を使う
私の場合、イライラが抑えられなかったのが失敗の原因です。
次女が私に委縮してしまい、癇癪が復活してしまったんです。基本的に療育はスローステップで小さな目標を時間かけてこなしていく教育です。
つまり、子供が目標達成出来るようになるまで焦らず、見守る忍耐力が必要。
親子が家で先生と生徒の関係になるとうまくいかないですよね。根っからの子供好きで育児が天職!って人じゃない限りは難しいと私は思います。
療育は集団生活するための予行練習
いずれは幼稚園、保育園、小学校という集団の中で生活しなければなりません。
親としてはそれまでに出来るだけ人馴れさせたいところですよね。少人数のコミュニティで時間をかけて学んでいくことがどれほど大事か、私は次女を幼稚園に入園させて改めて実感しました。
療育施設は一緒に過ごすメンバーは多くても10人くらいの子供しかいないので、それくらいの人数なら臆することなく話せるようです。でもそれ以上の人数になってしまうと途端に無理。
3年療育に通っても、幼稚園で半年間話せなかった
3年も通っているし、療育施設の中ではあんなにお話できるんだから、1か月くらい通えば慣れてきて、療育の時と同じようにお友達と関われるだろうと思ってました。
3年通ってこれなら、もし療育に通わず普通に入園してたらパニックになって泣き叫ぶこと必至ですよね。ストレスが大きすぎて幼稚園に通うことすらできなかったかもしれません。
私が思ってる以上に、自閉症の次女にとって集団の中で過ごすということは一大事なんだということがわかり、やはり早期療育しておいて良かったと思いました。
こんな感じで3年療育に通った次女ですが、いくら療育で目まぐるしく成長しても、上記の通り幼稚園では声を出すのに数か月という時間がかかっています。
療育に通ったからといって何でもできるようになるわけじゃない
【結論】早期療育はどんな役割があるの?
早期療育の本来の役割は、子供と親の自己肯定感を育む場所。だと私は思っています。
子供は今の自分を全部を受け入れ、手助けしてくれる先生たちに出会い、自己肯定感と安心感を育むことができます。そして親は、先生や保護者との交流を通して子供の発達障害に向き合い、少しずつ現状を受け入れていく心が育まれます。
発達障害児のママは支援者と横並びの存在ではない
専門家の方も、保護者は支援の先生と横並びの存在ではなく、子供と同じ支援の対象であると言われています。それぐらい、保護者への育児負担が大きいことは専門家の方も理解されているということです。
早期療育は、実は親の意識改革でもあると思います。子供が社会に出る前に支援を受けられるかの判断は、親の裁量によって決まる事がほとんどだからです。
子供の生きづらさを軽減するために、支援の場と常につながりを持つことが重要
実際に、早期療育終了後も支援の場につながりつづけた子供達は、成人期にその特性を持ち続けながらも社会参加できる割合が高いというデータがあるそうです。
なぜかというと、早期療育により支援を受けるというハードルを幼児期に既に越えている事や、その後も成人期まで支援の場と繋がり続けることで、長い間育んできた自己肯定感、意思疎通力、自己統制力の土台ができていたからです。
早期療育終了後も、支援の場との繋がりを保ち、二次障害を防ぐ
成長の課程で何か壁にぶつかった時、タイムリーで支援の場と繋がり、問題を複雑化する前に手を打つことができたことも、社会参加を続けられた要因だと思います。
また逆のケースで、早期療育を受けなかった子供達は小学校半ばで問題に直面し、自己肯定感が低下したり、過度な努力で克服しようと無理をしてしまったり、親は「本人が努力すれば何とかなる」と障害から目を背けて支援の場から遠ざけ、子供を追い詰めてしまう例もあるそうです。
今も実際に、3歳検診や保育園、幼稚園などで発達障害の疑いを告げられても親は認めずに、早期療育も受けさせず、後々で子供が精神的に潰れてしまい、トラブルなどを起こしてから慌てて放課後デイサービスに飛び込んでくる人も結構いる。という話を療育の先生に聞いたことがあります。
このようなデータから早期療育の果たす役割が、人生において大きく関係するのがわかります。
今回のまとめ
私が考える早期療育の効果、役割についてまとめてみました。
- 早期療育を受ける事でママの負担を減らす
- 支援を受けるという抵抗感を幼児のうちに乗り越え、自己肯定感の低下を防ぐ
- 支援者や保護者との交流を経て、ママ自身の自己肯定感の低下を防ぐとともに、
子供の発達障害に向き合い、受け入れる心を育む - 子供に、「自分を理解してくれる人がいる」という認識と安心感を持たせる
発達障害は治るものではなく、一生抱えて生きていくものだと、私も療育を通して学びました。
表面的に定型の子と変わらないくらい成長したとしても、それはスキルとして子供自身が努力して獲得したものであり、発達障害が治ったわけではないんですよね。
専門家の意見や、過去の発達障害児の幼児~成人期の経過データを見ても、特性ゆえの生きづらさが変わることはないようです。
それでも、ありのままの自分を理解してくれる人がこの世に存在し、困ったときに助けてくれる人がいることを、知っているのと知らないのとではこの先の人生に大きな差が出る。
それが過去のデータでわかっているからこそ、早期療育が勧められるのだと思います。
つまり療育は、子供とママが障害を受け入れ、支援への抵抗をなくし、大人になっても日常を笑って暮らせるための土台作りをする足がかり的な場所。ということになりますね。