子供に発達障害の疑いがあると言われたけど、成長って個人差が大きいですよね?うちの子もゆっくり成長していくタイプかもしれないし、なんで第3者にそんなこと言われなきゃいけないの?人に言われてもなかなか受け入れられない。でも一度は検査した方がいいのかな…?
わかります。その気持ち。子供に障害があるなんて、信じたくないですよね。
私も1歳半検診で言葉の遅れを指摘された時、ネットで我が子が障害じゃない理由を必死で探しましたが、探せば探すほど、発達障害に当てはまることばかりでどんどん落ち込んでいったのを覚えています。
実は、私が娘2人の特性を受け入れられるようになったのはつい最近の話です。最近は長女もADDいう事がわかったので、それを考慮すると娘2人の障害を受け入れるという心境になれるまで軽く10年かかっています。
それくらい、我が子の障害を心から受け入れるというのは母親として難しいですよね。。一人ではできない事だと思います。
いろんな人が力を貸してくれたおかげで今の心境に辿り着くことができました。
なぜ、子供の発達障害を受け入れたら楽になれるのか?
かんたんに一言でいうと、子供を怒る回数が減るから。でしょうか。
療育生活を2年送っているので、発達障害についての理解はあるつもりでいます。理解がなくては療育できませんし、子供にとって最善の道を常に考えるという事もできません。
でも「理解」と、「受け入れる」というのは全く別の事。
今までは、早く「普通の子」に近づいてほしいと思っていた
『療育は本人が人生を生きやすくするための学びの場所であり、障害を治す場所ではない』
それを本当の意味で私は理解できてなかったんですよね。というか障害は治らないんです。それを理解しているつもりだったのに、私はスローステップでゆっくりしか成長できない次女に常に焦りを感じていました。
他の子はもう週5で幼稚園に通えるくらい成長してる子もいるのに、次女はまだまだ時間がかかりそう。小学校入学までに間に合うの?このペースじゃ公立の小学校なんて無理なんじゃないのかな…
と余計なことばかり考えて、今楽しく療育に通っている次女の気持ちをないがしろにしていろいろ計画を立てようとしていました。
でもある日、ある出会いがきっかけで、自分の間違いに気づくことができました。
子供の特性は直さなくていい。生かせる場所をみつければいい。
ある日、療育先に娘を連れて行くと、高校生の女の子が子供たちと遊んでいました。
聞くと先生の娘さんで、ADHDの特性を持つ子で通信制の高校に通っていて、たまにこうして子供達と一緒に遊んでくれているのだと聞きました。
だって自閉症の次女が、……あの極度の人見知りで声すら出さない次女が、短時間ですっかり彼女に懐いて笑い声をあげているんですもん!
驚いている私の様子に先生も、「すごいよね~。もう仲良くなってる。自分も発達障害だから子供たちの気持ちがよくわかるみたいで子供の扱いがとても上手なのよ~。」
と笑って教えてくれました。
「そうか。長女も次女も、今のままでいいのか」
この時が、私が本当の意味で娘たちの発達障害を受け入れた瞬間でした。この後から、びっくりするくらい精神的に楽になって心療内科の先生も私の思考の変化に驚いていたくらいです。
定型発達の人と同じになる必要はない
今までは、娘たちに「普通」になってほしかった。だから少しでもそれに沿わない行動をすると私は怒り、それでも聞かない場合は怒鳴ったりして娘たちに言う事を聞かせていました。
そしてそれは、娘たちのためだと思い込んでいました。
子供は自分の特性を理解し、自分の将来を決める力がある。
日本でよくある「同調圧力」。私もこれを無意識に娘たちに強いていました。皆と同じでなければいけない。出る杭は打たれる。「普通」にならなければいけない。
でも療育の先生親子を見て、私は娘たちに酷いことをしていたんだなと気づきました。理解あるフリして、今の娘たちを拒絶して「普通」になれ!とずっと怒っていたんですから。
定型発達の人だって、大人だって、皆と仲良くするなんて無理なのに、娘たちには虐められないように、「普通」になって皆と仲良くしろと強要していました。
別に、学校が辛くなったら保健室登校でも勉強はできる。塾で効率よく勉強する事だってできる。
大事なのは、子供の得意な事を親が伸ばしてあげる事。それが仕事につながると先生に教わったのに。
高校生の娘さんのように、発達障害の子でもちゃんと自分の特性を理解して
自分に合う環境で学んで、自分の将来を自分で決められるんですよね。長女も次女も、いずれそういう時がくるのに、発達障害だから私が先を見越して療育しなくちゃ!私の言うとおりにさせなくちゃ!って躍起になっていました。
親は、子供のサポートするだけでいい
療育の先生は、娘さんの全てを受け入れて彼女の好きなようにさせていました。彼女が自分で考えて行動したことを、ただ見守るだけ。すごいなと思いました。
私もそんな母親になりたいと思いました。そして、家で笑いながら遊んでいる娘2人を見て、「別に今の娘たちのままでいいか、笑ってるし」と思えるようになりました。
そしたらイライラする回数も減って、精神的にもすごく楽になったんです。孤独な育児をしていたら、きっとこの心境には辿り着けなかったと思います。
- 「健常児」に近づかなくちゃ!という強迫観念から解放される
- 発達障害の子は特技レベルが高い。特性は才能に変えられる
- 発達障害の子でも、自分の特性を理解して将来を決める力がある
- 親は子供の心が壊れないように、サポートするだけで良い